2010年5月28日金曜日

[思考] TxT Project

先日の22日につくばで TxT Project の第一弾のイベントを行いました。

今回はつくば市街で大人図工cyc-linkによるフォトトランプサイクリング、つくば市北条の旧矢中邸において、矢中の杜の守り人による邸宅案内とつくバーベキュー、AAPA の邸宅パフォーマンス公演、モコメシのオーベルジュ、サロン・ド・スイーツのデザート、codacodaのパーティーDJ演出と、相当盛りだくさんの内容で開催しました。


このイベントは、東京で生活する自分の目線からすると、東京にある都市的な事「コンテンツ」を、つくば「地域」で実施するという試行だったと考えています。また、つくば側にある要素、今回は「街並み」「邸宅」「食材」を、東京から体験しに行くというイベントでもありました。


普段は東京で行われるイベントを、地域で行うことで、地元の人に都市的コンテンツを体験してもらう。その逆、つくばでの生活環境を都市の人が体験するといった、相互的な体験を作り出すものでした。


一つずつ見ていくと、


フォトトランプサイクリング

■都市的コンテンツ
・街中を観察し、見方を発想し写真撮影、トランプを作る
・サイクリングイベント
■地域的要素
・つくばの街

街中を観察することでつくばの街の要素や生活感覚を体験、また自転車レーンが充実しているつくば市を自転車で走る(=生活感)という体験も。


矢中の杜

■地域的コンテンツ
・歴史的文化財
・つくばの食材でのバーベキュー

歴史文化財として30~40年前の家財道具がそのまま残り、かつ、建築的にも特異な事が特徴のコンテンツ。つくばの食材と筑波山麓のシチュエーションでのBBQで、いなかならではの雰囲気を体験できる。


AAPA 特別公演

■都市的コンテンツ
・ダンスパフォーマンス公演
■地域的要素
・矢中邸が舞台。その建築構造を活かして、邸宅の面白さを際立たせる。

比較的都市部で行われる舞台公演。内容も、東京近郊をテーマにした作品。住居としての邸宅を舞台として使用し、生活的要素(家具など)をダンスにより舞台として利用。平面のある屋上では、背景がつくば一帯(関東平野)を見渡す景色も見られた。


モコメシ オーベルジュ

■都市的コンテンツ
・フードユニットによる食提供、演出されたデザートとお酒
■地域的要素
・矢中邸の地下フロア

昭和建築ながら、邸宅の土台部分の大理石造の部屋の異世界感で、デザートとカクテルを提供。東京の作られた店舗(テーマパーク)でなく、実際の文化財と接しながら、お酒と夜の深い時間を楽しむ。


サロン・ド・スイーツのデザート

■都市的コンテンツ
・お菓子のイベント
■地域的要素
・つくばのブルーベリー

地域素材であるブルーベリーを使った、オリジナルケーキのコラボレーション。


codacoda DJ

■都会的コンテンツ
・一般的にクラブやラウンジ、オープニングパーティーなどで行われている音楽演出
■地域的要素
・邸宅庭でのBBQや地下オーベルジュ空間

普段は遊び(つくばでは身近?)のBBQを、音楽演出によってイベントを創出。また、オーベルジュにおいても、時間を楽しむ上での、必須要素として機能。いなかラウンジを実践。


普段、都市部で行われている事をいなかでやってみるという、感じだったのかと。


ただ、つくばは、車で2、3時間かけていくような、東京から遠いところではありません。秋葉原から45分でつくば中心部へ到達、プラス、車で20分程度で筑波山麓エリアへアクセスできます。

つくばの特徴は、中心部が横浜のみなとみらいや東京の台場エリアにも近い雰囲気を持っていること。ただ、車で5〜10分も走れば、関東平野のいなか風景が一気に広がるという、先端的都市といなかが隣合わせであるという点だと思います。上記の通り、つくば中心部と東京都心の時間距離は、立川や大宮、千葉、大船あたりとほぼ変わりません。

つくばエクスプレス(TX)開通以前は、80年代のつくば万博を中心とする、研究学園都市としての開発が最大だったのではないかという印象。そもそも、国の事業で計画的に開発されたエリアであり、諸研究機関が集中し、筑波大学もあることから、中心部の住人の構成は、都市的な生活をしている人で構成されていると思われます。いなかエリアに都市を移植したような感じでしょうか。


自分たちがつくばを訪れる際、つくばに着いても東京の湾岸部に来たような感じさえするくらい、「いなか」という印象がありません。駅と駅の間は森も見えたりしますが、各駅周辺は高層マンションが立つ、非常に先端都市的な風景です。

つまり、つくばへ行っても、実は「いなかへ来た」というよりは、お台場や品川シーサイド、みなとみらいに来たかのような感覚。中心部の環境はほぼ変わりないのです(改札前にスタバがあるし駅前に西武やロフトもあります)。ただ、ちょっと車に乗ると、いきなり山と畑を目の前にするという、「自然や古くからのいなか風景が、東京に近接しているような感覚」ともいえるかもしれません。

つくば中心部は、東京都心部と感覚的にも時間的にも近い。
つくば中心部とつくば山麓も隣り合っているが、景色はギャップ「先端的都市といなか風景という両極」がある。

これがつくば独特な魅力だといえるでしょう。


TxTプロジェクトは、これを活かして新しい文化を作ろうというプロジェクトです。
まずは新たな遊び場としての切り口で、そして人の流れができて、ライフスタイルが生まれていくといいなと思います。このように見ていくと、東京とつくば職住が逆転するような事も、あながち不可能ではないと思います。

高度な移動手段と情報ネットワークが作り出す、2010年代型の「都市いなか共住」の一スタイルの試行の場としていきたいと考えます。

ママチャリで行くような距離ではありませんが、結構近いし、新しい景色→「最先端のいなか街つくば」と東京で、どのように楽しめるのか。まずは、つくばエクスプレスに乗ってみてください。ワクワク感は鉄じゃなくてもあるはず。たぶん。


0 件のコメント:

コメントを投稿