普段本をまず読まない自分が、久々に欲求的に買った本がある。
『言葉の力』猪瀬直樹著。この本では、本を読んで思考力と言語力を磨けと、書いてある。
そう諭されたいと思って買った訳ではないが、奇しくも、主題の状況と自分の状況が当てはまった。
この本にたどり着いたのは、猪瀬氏のツイートによる。氏をフォローしたのは震災直後に情報を収集する一環だった。久々に本を買う事に決めたのは、あきらかに変わらざるを得ない今の日本の状況で、自分はどう考えて行動するべきか、ヒントが欲しかったからだ。
自分が税金を納めている東京都で「言葉の力再生プロジェクト」というものが、進められている事は知らなかった。(都報などをきちんと見る必要もあるのだろうけど。)一応、頭でわかっていたが、東京都のツートップが作家である(実際は副知事は4名いるけど)、というのは、自分も芸術に近いところにいる立場としては、ある意味誇らしい事なのかもしれない。表現というものは、思考の結果みたいなものだ。日々思考している訳で、これは何も、芸術作品に対してだけ行う訳ではない。普段の生活に対しても、問い、考えて、行動する、という事をやっている。(自分が到達できているかは、また別だけど。)
この時代、どういう意図で生活をしていくのか、という事が、なかなか見えて来ない事がよくある。「生活のため」(生活"資金"のため)というのは、僕らの時代に通用させてしまっていいのか、少し悩む。これは、親世代がやってきた事であり、障害がないのなら、その先を目指すべきだと自分は思っている。
この事を、10年程、何とかできないものかと思って、生活してきている。物事を考えるという機会を与えてくれた芸術という手法は、自分にとっては有り難い。美術大学で学んでよかったと思えるのは、そういう思考回路になった事だ。(厳密にそのような方向付けになったのは、高校時代の進路指導による。初期の宮城県宮城野高校では貴重な経験をした。)
(まだ、作品に昇華できている考え事は無い。何も作品にする必要はないんだけど。だが、自分の生活や行動には、その考える思考回路は活きていると思っている。このように文字を書き(打ち)ながら考える事も、ままやる。ただ、自分は本を読んできていない。確かに、知識は欠けているんだろう。)
果たして、進路指導や就職活動は、そのような事について考える機会を与えていただろうか。目的はどこだったのか。実際に、会社の規模はどうであれ、その社員の方々は、その担っている現場の事を真面目に取り組んでおられるのだと思う。この事が、日本においては、基本的な部分で安定した生活ができる、という状況を作っていると思う。
ただ、どうにも先が見えて来ない、国として借金が増え続けている状態を、どう突破するのか。目の前にある仕事を真面目にやっているだけで、この問題が解決できると、いまいち思えない。いつか限界を迎えて、悪い方向に崩れてしまう事がないだろうか。
エネルギーや資源の問題と同じように、経済社会においても、いつまでも無理は通じないと思う。資源の限界と経済の限界は、関連しているだろうと思うからこそ、いかにサステナブルなデザインを行っていく事が大事か。これに取り組んで行きたいと思っている。
というような事を書き連ねる時に、たぶん自分は知識が足りないんだろうな。だから、主張が曖昧になるんだろうな。20代があと2ヶ月で終わってしまうが、本を読み始める、いい機会なのかもしれない。
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